Story
GLBゆめみ野は、区画整理でできた取手市ゆめみ野の一角にあります。もともと利用されていなかった土地が区画整理により換地されて宅地になったことから話は始まります。
区画整理地が終了すると、相続税対策との名目でアパート建設の提案が数多く持ち込まれましたが、近隣には同じようなアパートが多数建設されており、新築当初はいいのかもしれませんが、築年数が経過するにつれて市場から淘汰されるのではないかとの疑問が拭えませんでした。
また、提案を受けたどのアパートも建築プラン、見積書の内容、利回り、管理など詳細に検討されており、さすがは大手企業と思わせるものでしたが、では自分で住んでみたいかと考えると、そうは思えないものでした(これは、上記各社の提案や商品がダメということではありません。その内容は大手企業らしい合理的で洗練されたものでした。ただ、他のアパート商品と一線を画す個性があるかというとそうではなかったということです。)。
そこで、テナント利用も視野に入れつつ、他のアパートなどのリサーチを進めていく過程で、ガレージハウスというジャンルに出会いました。もともとクルマが好きだったのですが、賃貸暮らしが長くなり自由にクルマをいじる環境がないことが嫌になって車を手放してしまったといこともあり、賃貸ガレージハウスは興味深いジャンルでした。希少物件=個性的だということも更に興味をそそりました。
ガレージハウスというジャンルを中心にリサーチしてみると、ある程度の建築実績のある会社はそれほど多くないことがわかりましたので、DAYTONAHOUSE×LDKを含む5社程度に問合せをし、うち3社からプランを提示してもらいました。
3社とも初期プランという位置づけですので、これらか内容を詰めていくためのたたき台でしたが、DAYTONAHOUSE×LDK以外の2社は、提示されたたたき台をベースにどのようなプランにしたいかというイメージが膨みませんでした。DAYTONAHOUSE×LDKと他社の違いは、詰まるところ、DAYTONAHOUSE×LDKは圧倒的にかっこいい点でした。他社は、普通の居住用のアパートを2階にして、1階にガレージを付けただけでしたが、DAYTONAHOUSE×LDKはガレージと居室部分を一貫したイメージでデザインされており、個性が際立っていました。人間が住むアパートの内装が鉄骨むき出しとか、真っ当な生活感覚がある普通の人間は考えません。
要するにDAYTONAHOUSE×LDKのかっこよさや潔い思想にやられてしまったわけです。
そんなわけで、DAYTONAHOUSE×LDKを本命として、初期プランを検討して、第2案→第3案と検討を進めました。
第2案は、初期プランをベースに建物のバラエティーを増やし、第3案では第2案のコスト面を調整するなど大分内容も煮詰まってきました。そろそろ詳細設計の契約に進む段階かな、なんて考えていました。時期的には2022年3月頃のことです。
ところが…です。
2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻の影響が徐々に日本にも及んできました。具体的には、円安、原材料の高騰、船便の遅延・高騰などにより、プロジェクトの前提状況が変わってきてしまいました。ロシアがウクライナに侵攻した当初は、日本にも影響があるかもしれない、という程度の受け止めでしたので、まさか自分のプロジェクトの進行が左右されるとは思ってもみませんでした。
日本経済に影響するような戦争が起こるなんてことは、そう滅多にあるものではありません。そして、アパート建築のプロジェクトを扱うのも人生初という状況です。初めてのアパート建築プロジェクトが戦争の影響を受けるという極めてレアなケースに遭遇し、こんなこと本当にあるんだな、とある意味関心してしまいました。
その後、あれこれ考えているうちに、ウクライナの戦況も悪化し、各種コスト上昇も更に進んでいる状況でした。こんな状況でガレージハウスを建築して、運営していくことなんてできるのだろうか、いっそのことコロナ禍で地価が上がっているので売ってしまった方がリスクがないし楽なのではないか、などと弱気な考えが頭に浮かんできました。
もっとも、土地を売って現金にしても相続税対策としては意味がないので、より低コストの木造ガレージハウスも検討してみようと思い、再度リサーチをはじめました。いま振り返ると、この時期は、日本の一市民が大国ロシアにもっとも振り回されていた時期でした。
この様な経緯で、木造のガレージハウスをリサーチしてみました。
2階の居住部分が1LDKになっており住みやすそうな物件、収納も確保されている物件、ファミリーサイズのキッチンの物件、ガレージも明るい内装でおしゃれに仕上がっている物件、いろいろ良さそうな物件が見つかりました。コスト的にもこれらの方がリーズナブルに収まりそうです。
そこで、実際にどのようなプランになるのかを考えてみたのですが、どうもアイディアが浮かんできません。戸数が増やせそうだから、敷地いっぱいに建てれば利回りは何%などのお金の計算はできましたが、入居者がそこで自由に楽しんでいる姿は想像できませんでした。また、この物件でみんな(入居者)に思いっきり楽しんでもらおうという自分自身のサービス精神も全く湧いてきませんでした。
結局のところ、候補になった木造のガレージハウスは、DAYTONAHOUSE×LDKの建築ありきで考えれば、二番手としてわるくないじゃないという程度の「良さそう」であって、DAYTONAHOUSE×LDKの代わりにはならないということが自分の中で明確になりました。
ここまででみたガレージハウスの中で、『DAYTONAHOUSE×LDKが一番かっこいい』、『だから一番かっこいいDAYTONAHOUSE×LDKを建てたい』というシンプルな結論に至りました。
『だったらDAYTONAHOUSE×LDKを建てよう。』ここで腹を括りました。
ここから、建築資材等のコスト高騰を踏まえて、プロジェクトの一部建物を削除し、ガレージエリアに変更するなどの調整をし、2022年11月に詳細設計にすすみ、2023年5月に請負契約を締結しました。
同年7月14日に地鎮祭を執り行い、17日に着工という流れを経て、現在(2023年8月31日時点)では基礎工事が行われています。
まだまだ、DAYTONAHOUSE×LDKの形は見えてきませんが、徐々に形ができていくのを楽しみに、竣工までを見守りたいと思います。
story-その後-
『2024年2月28日、GLBゆめみ野が竣工し引渡しを受けました。同年元旦に発生した能登地震の影響で電気の引込工事に遅れが出る等の影響はありましたが、建物自体は完成しており、静かに今後のオープンハウスを待っています。
その後、3月から5月にかけてオープンハウスを3回行い、同時並行で個別の案内を進めた結果、2025年のGW明けから徐々に入居がきまってきました。GLBゆめみ野プロジェクトが始まった時点では(竣工時もそうですが…)、取手市内には賃貸ガレージハウスは存在しておらず、茨城県南部という範囲でみても、守谷市とつくば市に幾つか物件がある程度という状況であったため、いわゆる賃料相場が存在しませんでした。また、ガレージハウスを住居とみるか事業用物件とみるかでも賃料設定の考え方は変わってきます。
2×4SPAN月額14万円という賃料設定については、ガレージ部分と住居部分を個別に値付けした上で、一体化したことによる利便性等の向上等をプレミアムとして考慮して決定しましたが、管理会社や客付を依頼した不動産仲介業者の最初の反応は芳しくありませんでした。ガレージハウスというカテゴリーに興味を持っていた不動産会社の社長さんから、賃料設定について『市場を探るというよりも、市場を創る感じですね』と言われたときは、何てチャレンジングな試みをしているんだと興奮しつつも、とんでもないことに手を出してしまったな...と夜中に心臓が冷たくなりました。
その後、オープンハウスや内見時の反応等を踏まえて、より入居しやすい方向に賃貸条件を改定しつつ、GLBゆめみ野の知名度アップのための活動を続けたところ、6月~8月にかけて一気に入居がきまり、9月に入った時点では、残り3戸という状況に漕ぎつけました。この頃は、感覚的に毎週管理会社の担当Fさんから『申込み入りました』との連絡があり、ほぼ毎日連絡を取り合っていたような気がします(Fさんホントにありがとうございます)。
9月後半頃には、GW頃にいだいていた危機感も薄れ、『このままいけば年内満室も固いな』などと能天気に構えていたところ、突如、FさんからA01(3×4SPAN)が解約との連絡が入りました。
???なんで?6月に入居したばかりじゃない。しかも仕事も順調そうだし。などと思い、Fさんに解約理由を確認したところ、『仕事が順調すぎて手狭になってしまった』とのことでした。A01の入居者様は事業利用ですが新規開業のため、私としては最初の事業所としては丁度いいサイズと勝手に思っていましたが、予想を超える成長スピードで半年足らずで手狭・退去となってしまいました。
折角ご入居いただいたのに、あっという間の退去で残念過ぎますが、盛業で手狭と言われては引き止めることもできません。益々の盛業をお祈りしつつA01の入居者を再募集することにしました。
ここで予想外の事態が起きました。再募集したA01が1ヵ月も経たないうちに申し込み→契約になってしまったのです。確かに、3×4SPANのお部屋は、満室後も入居希望の問合せがあった人気物件でしたが、月額22万円+管理費5000円という設定のため、成約にはある程度時間がかかることを覚悟していました。とこが、あっという間に成約してしまうのですから、自分には見えていないニーズがあるんだなと思わざるを得ませんでした。この辺りが、既存のアパートやオフィス物件とは異なるガレージハウスというジャンルの面白いところかもしれません。
2024年11月から12月は本業が多忙だったためややガレージハウス活動がほったらかしになり(この頃、1年間がんばってくれたS2000は実家である㈱レッドリボンに帰りました)、その影響かはわかりませんが、入居申し込みもなく年を越しました。
年が明けて2025年になったのを機に、満室に向けて活動を広報活動に力を入れようと思っていた1月末に、立て続けに3件の問合せ→1件成約となりました。
2025年2月時点の状況をみると、表通り沿いのA棟には来客が多い事務所・パーソナルジムが入居されており、敷地奥のB棟はストレージ利用やクルマ好きのサードプレイス利用が多いようです。いままでの問合せ業種を振り返ってみると、愛車格納用のガレージハウス利用に加えて、士業事務所、美容院、エステサロン、古着屋、カー用品のモデルルーム、カーラッピング、中古車販売店の事務所、ストレージ利用+事務所など多岐にわたっており、GLBゆめみ野をみた皆様がこの物件に多様な可能性を見出していることが伝わってきます。
1月末の制約後、内見・成約が増加し、竣工から約1年が経過した2025年3月17日、最後の一部屋に申し込みが入り、満室御礼となりました。1年前の2024年3月18日は、一部屋も申し込みがない状況で、デモカーを並べてプロモーション用の撮影を行っていたことを考えると、感慨深いです。
既に多様な個性が芽吹き始めていますが、満室を機に更に多様で個性的な利用が積み重なることで、GLBゆめみ野としての個性も磨きあがられていくことでしょう。何年か後に、『story‐その後②‐』を書くとき、GLBゆめみ野がどうなっているのか予想もつきませんが、きっと楽しい『場』になっていることでしょう。